ジミー・リード、ジョン・リー・フッカーがいたヴィー・ジェイ・レコードから
ブリティッシュ・ビートの元ネタを集めた編集盤!
オススメ度:★★★★☆
ヴィー・ジェイといえば、おそらく最初にピンとくるアーティストは、
ジミー・リード(JIMMY REED)、
ジョン・リー・フッカー(JOHN LEE HOOKER)あたりでしょうか。
あのブルースのようなR&Bのような、
いやいや、そのどちらでも無いような、
ジミー・リード独特のユルユル・ビート。
思わずほとんどのブリティッシュ・ビート・バンドがカヴァーした
ジョン・リー・フッカーの《 Boom Boom 》のような、
妖しさ満点、ブギ・ダンス・ビート。
それらの曲を生み出したレコード・レーベルがヴィー・ジェイ。
ローリング・ストーンズなんて、ファースト・アルバム『 ROLLING STONES 』
(『 ENGLAND'S NEWEST HIT MAKERS 』の方が一般的?)で、
そのジミー・リードの《 Honest I Do 》、
さらには激シブ、ジーン・アリソンの《 You Can Make It If You Try 》
なんてトコまでカヴァーするなど、
最初からヴィー・ジェイ・マニアぶりを見せ付けています。
そして、実はビートルズのアメリカにおける最初のシングル盤《 Please Please Me 》も、
ヴィー・ジェイ・レコードだったりするというからおもしろい。
ちなみにヴィー・ジェイのVとJは、レーベル創始者の
ヴィヴィアン・カーター(Vivian Carter)と
ジェイムス・ブラッケン(James Bracken)のイニシャルで、
この二人は後に夫婦となる間柄。
あの定番ブルース・レーベル、チェスと同じシカゴにある
黒人によるインディペンデント・レーベルで、
チェスの方は白人による経営。
そんな事から、ヴィー・ジェイは一般の黒人市民から、
受け入れられ、早くからヒットを出していたらしい。
しかし契約関係でアーティストといろいろなゴタゴタがあったらしく、
惜しくも1966年に倒産しちゃうんだとか。
まぁ、そんな話はともかく
ブリティッシュ・ビートにとても縁の深いヴィー・ジェイ・レコード。
当時のブリティッシュ・ビート・バンドがカヴァーした曲や
縁の深い曲を集めたこの編集盤は、なんとも便利なアイテムっす。
ここに収録されている曲を見れば、
ビートルズ、ローリング・ストーンズの他にも、
ヤードバーズ、ゼム、アニマルズ、スペンサー・デイヴィス・グループ、
ホリーズ、スウィンギン・ブルー・ジーンズ、ピーター&ゴードン、
そしてドクター・フィールグッドなんてパブロック系のバンドまで、
ゴロゴロと浮かんできますね。
関連のあるバンド名を並べると、
チェス辺りと比べると、ロンドンR&B系のバンドだけじゃなく、
マージー・ビート系のバンドにも広く受けていたのがわかりますなぁ。
あっ、解説によるとリトル・リチャードによる[21]のセッションで
ギターを弾く男は、ジミヘンなんだとか・・・
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THE VEE-JAY BRITISH HITS / VARIOUS ARTIST
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[1] I Can’t Stand It / JERRY BUTLER & BETTY EVERETT [2] Boom Boom / JOHN LEE HOOKER [3] Honest I Do / JIMMY REED [4] Stand By Me / GENE CHANDLER [5] I Ain’t Got You / BILLY BOY ARNOLD [6] Billy's Bag / BILLY PRESTON [7] No More Doggin' / ROSCO GORDON [8] Ain't That Loving You Baby / JIMMY REED [9] He Will Break Your Heart / JERRY BUTLER [10] I Wish You Would / BILLY BOY ARNOLD [11] It's All Right / JERRY BUTLER & BETTY EVERETT [12] Just A Little Bit / ROSCO GORDON [13] Dimples / JOHN LEE HOOKER [14] Here I Stand / WADE FLEMONS [15] What I Say / DEE CLARK [16] Steppin' Out / MEMPHIS SLIM [17] It's In His Kiss (The Shoop Shoop Song) / BETTY EVERETT [18] You Can Make It If You Try / GENE ALLISON [19] Bright Lights, Big City / JIMMY REED [20] Either Way I Lose / GLADDYS KNIGHT & THE PIPS [21] Hound Dog / LITTLE RICHARD [22] You're No Good / BETTY EVERETT [23] Turn On Your Love Light / GENE CHANDLER [24] It's Not Unusual / THE DELLS |
このアルバムの曲をカヴァーしているブリティッシュ・ビート!
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THE ROLLING STONES ローリング・ストーンズのファースト・アルバム。 ストーンズのジミー・リード好きはご存知のとおり。 [3]はもちろん、他にも数多くのリード・ナンバーをライヴでは演ってますね。 そして渋いジーン・アリソンの[18]を見事にカヴァー。 |
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(Angry Young) THEM / THE THEM ヴァン・モリソン率いるゼムのファースト・アルバム。 ロスコー・ゴードンの[12]、ジミー・リードの[19]をかなり大胆にカヴァー。 さらにはこの編集盤には未収録ですが ジョン・リー・フッカーのバラード《 Don't Look Back 》もカヴァー! |
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SHAPES OF THINGS / THE YARDBIRDS ジョン・リー・フッカーの[2]に ビリー・ボーイ・アーノルドの[5],[10]と おなじみヤードバーズもヴィー・ジェイ・マニアぶりを発揮。 このヤードバーズの編集盤でまとめて聴けます。 |
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THEIR FIRST LP / THE SPENCER DAVIS GROUP ジョン・リー・フッカーの[13]に ジェリー・バトラー&ベティ・エヴェレットの[1]をカヴァー。 [1]はスーのソウル・シスターズの方のカヴァーかもしれませんが・・・ スティーヴ・ウインウッドのヴォーカルが見事なクロさを見せてくれます。 |
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IN THE HOLLIES STYLE / THE HOLLIES ホリーズもベティ・エヴェレットの[17]を 《 It's In Her Kiss 》とタイトルを変えてカヴァー。 なかなかいい具合にポップで軽快なアレンジに仕上がってます。 |
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DOWN BY THE JETTY / DR.FEELGOOD パブロック・バンド、ドクター・フィールグッドも 定番ジョン・リー・フッカーの[2]をカヴァー。 こちらはシャープでコンパクトに仕上がってます。 |