マッコリー兄弟による逆襲。
ゼムのガレージ・サイドを引き継いだサウンドが異様なカッコよさ。
オススメ度:★★★★★
オリジナル・リリース:1967年
ゼムというバンドではなくスタジオ・ミュージシャンの寄せ集めメンバーで
アルバム作りが行われる中、欲求不満大爆発のヴァン・モリソンが脱退。
そしてヴァン・モリソンその人はソロ・アーティストとなり
なにやらとてつもないスケールのオッサンと化していったのは
ご存知のとおり。
ちゃっかりゼムの名を引き継いだベースのアラン・ヘンダーソンは、
後にシャレたR&Bポップなアルバム、ハード・ガレージなアルバム、
パブロッキンなアルバム何枚かをゼム名義で残した。
一方、ゼムを離れ故郷ベルファストに戻った
キーボードのジャッキーとドラムのパトリック・マッコリー兄弟は、
ベルファスト・ジプシーズという名のもと活動を再開。
ときおり、こちらもちゃっかりとゼム名義でのライヴを行っていたらしい。
そしてベルファスト・ジプシーズは3枚のシングルを発売した後に
あのキム・フォーリーのプロデュースによる強烈な1枚を残す
1967年にスウェーデンのみで発売されたというこのアルバムは
ヴァンと似た豪快な叫び、ブルース・ハープ、ファズ/トレモロ・ギターがうなる
荒々しいR&Bガレージ・パンク・ビートが超強烈。
ザクザクとジャングリーに刻まれる荒々しいビートと
なぜか怒りあふれて燃えるような魂のカタマリが全編で渦巻き、
どの曲も激しくカッコいー!
ゼムへの便乗50%、未練0%、挑戦50%、名曲《 Gloria 》を拝借。
あの印象的なリフを変則化し《 Gloria's Dream 》として
怒りの激しいビートを繰り出すこの1曲目で、
すでに腰がブルブルと震えだすハズなのだ。
以下、各曲を一口コメントすると・・・
[1] Gloria風爆裂ガレージ
[2] ソウル溢れまくり3連バラード
[3] Mystic Eyes風疾走ガレージ
[4] 不思議異国風インスト
[5] おなじみボブのカバー
[6] 暴(Bo)風ガレージ
[7] ジョン・リーのカバー けっこうひっぱってます
[8] 激情ソウル・バラード
[9] 哀愁ソウル・バラード
[10] 必殺ドノヴァン・カバー
[11] ミディアム・ガレージ・ソウル
[12] ダークリーなガレージ
あのゼムのMystic Eyesを思い出させるブルース・ハープがうなる、
[3]や同系統の曲[6]などもタマラナくおいらの下半身をシビレさせてくれる。
このテの曲はやはりベルファスト出身バンド、ホイールズでも聴けるけど、
「ヴァン在籍時のゼム」−「ホイールズ」−「ベルファスト・ジプシーズ」、
この3バンドのガレージ・サイドは驚くほど似ている。
「ホイールズ」は『 BELFAST BEAT MARITIME BLUES 』なる
ベルファスト出身の60年代R&B系ビート・バンドを集めた好編集盤で聴けるので、
このテのサウンドが好きな方は機会があればこちらも是非!
という事でゼムのガレージ・サウンドを引き継いだような
ベルファスト・ジプシーズ。
その後ジャッキー・マコーリーはトレイダー・ホーン〜ソロとなって、
ブリティッシュ・フォークなサウンドへシフト。
ガレージ全開なのがこれ1枚なのが実に惜しい。
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THEM / BELFAST GYPSIES [1] Gloria's Dream [2] The Crazy World Inside Me [3] Midnight Train [4] Aria Of The Fallen Angels [5] It's All Over Now Baby Blue [6] People Let's Freak Out [7] Boom Boom [8] The Last Will And Testament [9] Portland Town [10] Hey Gyp (Dig The Slowness) [11] Suicide Song [12] Secret Police BONUS TRACKS: [13] Portland Town (Frech EP Mix) [14] It's All Over Now Baby Blue (French EP Mix) [15] Midnight Train (French EP Mix) [16] The Gorilla (French EP Mix) [17] Secret Police (45 mix) [18] Gloria's Dream (45 mix) |