とんでもない邦題のおいらイチオシなセカンド・アルバム、不正療法。
渋ーいビートがジワジワ効いて中毒になっちゃう危険なアルバムなのだ!
オススメ度:★★★★★
オリジナル・リリース:1975年10月
1発の衝撃度では、ファースト『 DOWN BY THE JETTY 』の方が上だと思うけど、
おいらには最も愛着あるドクター・フィールグッドのアルバムが
ファーストの約9ヶ月後に発売されたこのセカンド『 MALPRACTICE 』。
邦題は『不正療法』、あぶねぇー。
ちなみに、このアルバムの発売は1975年。
ヴォーカルのリーは1952年生まれ、ということは当時23歳。
ギターのウイルコは1947年生まれ、ということは28歳。
風貌は充分親父だけど、でもまだこの時は20代だったのだ。
(リーよりウイルコの方が5歳も年上なのは、なんだか違和感。)
さてさて、バンドもこれからイクゼ!っていう一番いい時期だったハズ。
そのサウンドはファーストのスピード感そのままながらも渋みを増し、
さらにはどことなく風格まで感じる。
パブロックらしさという点では、こちらの方が雰囲気ムンムンで、
そんなパブでの超人気のライヴ、ライヴの連続で、あまりの忙しさにオリジナルを作る暇がなく、
カバー曲が多めになったけれど、これがまた趣味丸出しでグッド。
[1]はボー・ディドリーがオリジナルだけれど、モロにジョニー・キッド&パイレーツからのカバー。
なんでもないのにあまりにもカッコいー8ビートで、
このイントロ一発で、おいらはイってしまった。
それにしてもこの曲でのウィルコ・ジョンソンのカッティング、
何度聴いても、間(ま)が変だ。
それがどうにもおいらの腰に響くいてタマランですな、このカッコよさは。
ところでファースト『 DOWN BY THE JETTY 』と比べると、
このセカンドでは幾分ユルめのビートが印象的。
しかしユルいといってもカッタルいとかいうものではなく、
グイグイと腰にくるトロけるようなココチ良さなのだ。
そのココチ良さの秘密はニュー・オーリンズR&B。
直接的なカバーはヒューイ・スミスの[8]だけど、
ウィルコ・ジョンソンのオリジナル[3],[4],[6]でもそんなユルさとコミカルさが染み出ていて
ロバート・パーカーの[7]やコースターズのカバー[9]も、
やっぱりコミカルでファンキーな路線。
ファーストでは恐らく意識的にスピード感、ソリッド感を前面的に押し出してましたが、
このセカンドでのノリが本来の姿に近い
ドクター・フィールグッドの自然体のサウンドでしょう。
そんなユルめの要素を異常な切れ味で仕立て上げる曲の緊張感が
後のバンドがマネできなかったウィルコ・ジョンソン時代の最大の特徴であり、
長く続かなかった原因でもある。
オリジナルも相変わらずシンプルでいい曲を書いていて、
[2],[3],[6]など、その後ライヴで定番になる曲ばかり。
[10]はスパーコの他、ニック・ロウも共作でクレジットされてます。
代表曲となる[2]はウイルコの師匠、パイレーツのミック・グリーンとの共作、競演のメチャ、カッコイー曲。
どちらのバージョンも捨てがたい仕上がり。
そしてすごいなぁと思うのが[4],[11]みたいな曲で、ポップな感覚がある事。
このすぐ後に爆発するロンドン・パンクって、曲が意外とポップだけど、
ウイルコの曲作りの影響がすごく大きいと思うな。
後にパンク・バンド作るヤツラはフィールグッズのライヴでタムロっていたハズだし、
このフィーリングを身体で自然と身に付けていたに違いないのだ。
リーはヴォーカル、ハープはもちろん、
スライド・ギターでも[3]、[5]、[10]で爆裂、気合い全開でアツアツ!
ウイルコ・ジョンソンのギターは解説不要。ただひたすらカッコイー!
そしてそれを支えるリズム隊だってホントいー味だしてる。
ファンキーな[7]を聴けば、それは一発でわかるネ。
そしてパンク・バンドにはマネのできなかった決定的な差も、このリズムにある。
全曲からリー・ブリローとウィルコ・ジョンソンの火花が飛び散り、
その曲調以上にヒリヒリとする刺激的なサウンドとなっていて、
ラストの[11]ではそのリー&ウィルコ二人が、
ツイン・リード・ヴォーカルで最後まで一歩も譲ることが無い。
ホント、聴けば聴くほどクセになるアルバムで、
とにかくタマラン1枚。
このアルバムはおいらの永遠の無人島レコードである。
日本盤のボーナス・トラックには、なぜかこのセカンドにしてデヴュー・シングルのB面(A面はRoxette)を収録。
これが思い切りストーンズ・バージョンを意識してるけれど、切れ味が破格!
[国内盤] 安価な国内盤! Amazonで詳細を見る! >> |
|
[国内盤] 通常プラケース仕様の国内盤、ボーナス・トラックが1曲収録なのだ! Amazonで詳細を見る! >> |
|
[国内盤] こちらは紙ジャケ仕様!収録曲は国内盤の通常のものと同じ。 Amazonで詳細を見る! >> |
|
[輸入盤] 歌詞、対訳はいらないけど、やっぱり本家UKのGrand盤が好きという方は! Amazonで詳細を見る! >> |
|
[MP3] スグに聴きたい!お手軽にMP3ダウンロードという方はコチラ! >> Amazonで詳細を見る! |
オンライン中古CDショップ【BEAT-NET RECORDS】 ⇒ DR. FEELGOOD(ドクター・フィールグッド)のページはコチラ |
|
MALPRACTICE / DR.FEELGOOD [1] I Can Tell [2] Going Back Home [3] Back In The Night [4] Another Man [5] Rolling And Tumbling [6] Don't Let Your Daddy Know [7] Watch Tour Step [8] Don't You Just Know It [9] Riot In Cell Block #9 [10] Because You're Mine [11] You Should't Call The Doctor (If You Can't Afford The Bills) BONUS TRACK: [12] Route 66 CREDIT: Original release: Oct 1975 Lee Brilleaux: Lead Vocals, Harp Wilko Johnson: Lead Guitar, Vocals John B. Sparks: Bass The Big Figure: Drums, Vocals Produced by Dr. Feelgood, Vic Maile |
THE JOHNNY KIDD MEMORIAL ALBUM / JOHNNY KIDD & THE PIRATES ドクター・フィールグッドの元ネタ満載、ジョニー・キッド&ザ・パイレーツ。 《 I Can Tell 》のオリジナルはボー・ディドリーだけど、フィールグッズは間違いなくこちらの影響が大。 サウンドの雰囲気がもうソックリそのまんま! |
|
|
HAPPY BIRTHDAY ROCK 'N' ROLL / THE PIRATES ウイルコ・ジョンソンの師匠、ミック・グリーンと共作した[2]の、 パイレーツ・ヴァージョンはこのサード・アルバムでチェック。 ちょいとヘヴィーな仕上がりっす! |
THE BEST OF MUDDY WATERS 《 Rolling And Tumbling 》はブルースのボス、マディー・ウォーターズの超定番アルバムでチェック。 ジャケットが強烈に濃いっす! ぅおー! |
|
UK SUE LABEL STORY: The World of Guy Stevens UKスーのオムニバス盤ですが《 Watch Tour Step 》のオリジナル、ボビー・パーカーを収録。 このアルバムは他にもブリティッシュ・ビート好きにはうれしい曲が満載! |
|
HAVING A GOOD TIME 《 Don't You Just Know It 》のオリジナル、ヒューイ・スミス。 フィールグッズはこんなニュー・オーリンズ・ビートにかなり影響受けてます! |
|
YAKETY YAK 《 Riot In Cell Block #9 》のオリジナル、コースターズもハズせません。 他のアーティストからもカヴァーされまくり! |
⇒ ドクター・フィールグッド・ガイド(DR. FEELGOOD)のトップ
⇒ BEAT-NET 60年代ブリティッシュ・ビート~パブロック アルバム・ガイドのトップ