元々はUS仕様の編集アルバムなんですが、
中期ビートルズの傑作ナンバーが勢揃いの充実盤。
オススメ度:★★★★★
オリジナル・リリース:1967年11月
ビートルズ初の失敗プロジェクトとして名高い同名映画のサウンドトラックの[1]〜[6]、
(LPレコードならA面に相当)
そして1967年のシングル曲[7]〜[11]を加えたUS仕様のアルバム。
このテのUS編集モノはたいていトホホな出来なのだが、
これが奇跡的にカッコいーアルバムで、
UK仕様のオリジナル・アルバム基準での現行CD化のなかで、
本アルバムがラインナップされるのも納得の1枚である。
まぁ、この頃のビートルズが創造上のピークだったから、
どう編集してもよいものが出来るのかもしれないが、なんにせよ良いものは良い。
[1]からして、さぁはじまりますよ!ってな感じでオープニング。
続く[2]もいやいや名曲ですな。ポール2連発でもまったく気になりません。
インストの[3]でサントラらしき雰囲気を出し、
続く[4]でジョージのヘヴィーなお得意インドもの。
哀愁ただようポールの[5]も、いやいや名曲ですな。
A面ではラストとなるこの時期のジョンらしい[6]は
メジャー・コードでおしまくりのひたすらヘヴィーな曲。
1曲ごとがスゴイ存在感なので流れるような構成ではないものの、
ひたすら惹きつけられます。
実際の映画の方は好き嫌いがあるでしょうが、おいらは×(バツ)。
そう何度も見たいものではないというのが本音。
さて、レコードではB面に相当する後半もまたよい。
ちょっとベタな感じの[7]は好みではないが、
その後に[8],[9]の強烈な2連発が待ち受けている。
ビートルズの最強シングルでありながらもナンバー・ワンになれなかったカップリングだ。
これが・・・実に素晴らしい!
[8]なんて曲そのものは実にシンプル。
それをキーもテンポも違う2つのテイクをつなげて完成させたというのは有名な話。
しかし、おいらは後半はブラス・ヴァージョンは意図的に
キーとテンポを変えて録音したと思ってます。
これまでもそうだったのに、わざわざホーンが吹きやすいように
キーを変えて録音などしないハズ。
つまりあのサウンドのニュアンスを出したいが為に
計算してテンポ、キーを変えて録音していったトコがスゴイのだ!
ジョンの頭の中にある漠然としたイメージを、
計算ずくでサウンドを再現したジョージ・マーティン、恐るべしです。
加えて、この曲のジョージのギターがまたタマラン。
キメないようでいて、ポイントにフニャラーと入るフレーズ・・・
超人的でとても真似できません。
ポップなポールの[9]も、いやいや名曲ですな。
こちらもシンプルな曲ながらも、数々のマジックでさすがの作曲センス。
さらにポール自身のベースはジョージのプレイ・スタイルとは対照的に
キメるべきときにビシッとキメてブイブイとシビレさせてくれます。
続く[10]もなかなかに強力なのだが、この2連発の後ではどうにも分が悪い。
しかし、このアルバムの収録曲はジョン曲、ポール曲と
ハッキリ分かれている曲調ばかりなので、
この曲のみ二人の匂いがするという意味でも希少。
([1]にもわずかながら二人の匂いがあります。)
ラストは有名曲[11]でシメ。
映画撮影がそれなりに変化を与えたのか、
久々にジョンがポールのいくつかの曲にテコを入れているようで、
ポールの甘めの曲もシマリがいい。
なんとも聴き応え満載のアルバムである。
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[1] Magical Mystery Tour [2] Fool On The Hill [3] Flying [4] Blue Jay Way [5] Your Mother Should Know [6] I Am The Walrus [7] Hello Goodbye [8] Strawberry Fields Forever [9] Penny Lane [10] Baby You're A Rich Man [11] All You Need Is Love |
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