ドクター・フィールグッド脱退後、ウィルコ・ジョンソンが最初に出したアルバム。
良く言えばバラエティに富んだ、悪く言えば・・・
オススメ度:★★★☆
オリジナル・リリース:1978年
ウィルコ・ジョンソンはドクター・フィールグッドを離れた後、
自身のバンド、ソリッド・センダーズを結成。
バンド名の由来は、おそらくジョン・リー・フッカーのアルバム
『 TRAVELIN' 』収録のエグい曲《 Solid Sender 》から。
結成当初のメンバーは四人。
ギター、そしてヴォーカルもとるウィルコ・ジョンソン。
そしてベースに元カウント・ビショップスのスティーヴ・ルインズ、
キーボードにジョン・ポッター、
ドラムにアラン・プラットだ。
まずはシングルとして、
ウィルコがドクター・フィールグッドでの最後のアルバム
『 SNEAKIN' SUSPICION 』に収録されていた曲《 Walking The Edge 》を発表。
敵意あるジャブを1発出してきた。
かなりライバル意識むき出しで、気合いが入っているし、
まわりの期待もそれなりにスゴかったんじゃないかなぁ。
そして、
1978年に発売されたオリジナル・フル・アルバムがコレ。
なんてったって邦題「電光石火」。
先のシングルに続きドクター・フィールグッドへの挑戦状的な
火花バチバチな印象のタイトルである。
内容はウィルコ・ジョンソンのギター&ヴォーカルをメインとしながらも
ワンマン・バンドではなく、
他のメンバーが書いた曲やリード・ヴォーカルもあるし、
ソロ活動というよりバンドとしての位置づけだったのかな?
基本はストレートなロック・ナンバーが中心で、
[6]が典型的なウィルコ節、
また、スモーキー・ロビンソンのカバー[9]は、
バタバタしたノリですが、なかなかよい。
ほか、[2]はカウント・ビショップスでやっていた曲、
レゲエ演歌調のウィルコ代表曲となる[3]、
ちょっとヤバめなアダルト調[5]なども収録。
良く言えば、なかなかバラエティに富んだ曲調だが、
悪く言えば、まとまりが無く中途半端な・・・てな感じ。
これぞウィルコ・ジョンソン・サウンドというより、
それぞれのメンバーの意向も反映されたような内容なのだ。
ウィルコひいきのおいらとしては、
[6]みたいに全開でウィルコ色を出してほしかったな。
曲によってはギターも抑え目。各パートをフィーチャーしていて、
あくまでバンドとしての方向ということか。
[2],[5]のギターなんてウイルコとは思えないのだが、誰か違う人が弾いてないか?
ウイルコ以外のメンバーがヴォーカルをとる曲もあったりします。
(あまりウタがうまくないウイルコのものが不思議と一番よかったりする
・・・と思っちゃうのはおいらだけだろうか?)
ドクター・フィールグッドとの大きな違いはキーボードが入っていること。
リー・ブリローに代わってバトルする相手がジョン・ポッターとなり
[10]みたいな曲をうまく展開できれば、
ドクター・フィールグッドとはまた違った味がバンドとして出せたかも。
しかし実情はメンバー全員がバトル状態。
メンバー間の仲が悪かったらしく後にウィルコがボロクソ言うジョン・ポッターはクビに。
さらにリズム隊もラッセル・ストラッター、アレックス・ビーンズと
メンバーが交代して活動を続けることになる。
残念ながらドクター・フィールグッド時代の強烈な緊張感は無いし、
正直、アルバム全体はイマイチ。
しかししかし・・・
初回分のレコードに付属していたEPのライヴ、
コレがウィルコ色全開で真価発揮、断然に出来がよいのである。
幸いCDにはボーナス・トラックにEPの曲を収録。
ライヴだと仲の悪さが逆によい緊張感となるのでしょうか。
スピード感あるプレイで一気に突っ走ってくれます。
ここでのサウンドに迷いはありません。
ドクター・フィールグッド時代『 SNEAKIN' SUSPICION 』からの再演2曲[12],[13]を除き
他はすべてカバー曲。
ディランのカバー[15]が特にハナマル。
このライヴは文句無しにカッコいーです。
やっぱこれです。きもちいーです。カッチョイーです!!!
だが結局、「ソリッド・センダーズ」名義のアルバムはこれ1枚のみ。
ルーツは同じでもメンバーそれぞれの目指す方向性が違ったようだ。
メンバー同士の関係もイマイチだったみたい。
(ウイルコはキーボードのジョン・ポッターが超嫌いだったみたいですが・・・サウンドの主導権争い?)
この後、ウイルコはイアン・デューリーのブロック・ヘッズに参加する。
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SOLID SENDERS / WILKO JOHNSON'S SOLID SENDERS [1] Blazing Fountains [2] You're In My Way [3] Dr. Dupree [4] Too Bad [5] First Thing In The Morning [6] Everybody's Carrying A Gun [7] Signboard [8] Keep Both Eyes On The Road [9] Shop Around [10] Burning Down [11] I've Seen The Signs BONUS TRACKS: [12] Walking On The Edge [13] Paradise [14] All Aboard [15] Highway 61 [16] Neighbour Neighbour [17] Rock Me Baby CREDIT: Original release: 1978 Produced by John Batchelor Wilko Johnson: Guitar, Vocals Steve Lewins: Bass, Vocals John Potter: Keybords, Vocals Alan Platt: Drums |
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