キンクス風パブロック。ジャケットも地元のパブ。
これがまた実に素晴らしいアルバム。
オススメ度:★★★★★
オリジナル・リリース:1971年11月
デビュー時からお世話になったレーベルであるパイを離れて、
RCA移籍後の第1弾。
さぁ心機一転、最近セールス落ち込み気味だし、
「久々にいっちょ、ヤッタルか!」
・・・といったような特別な気負いは一切ナシ。
それどころか、ちょい派手目だったパイ後期の「ARTHUR ...」、や
「LOLA VERSUS ...」なんかに比べると、実に素っ気無い。
とても大ヒットするとは思えない内容で、
新レーベルのお上の方々からのクレームは無かったんでしょうか???
・・・とまぁ余計なお節介ですが、
一般的には地味でマイペース全開となるキンクスのRCA時代。
最近でこそ、この「 MUSWELL HILLBILLES 」は、
キンクスの名盤の1枚として評価もされていますが、
中古レコード屋で当時は無名?だったコレを見つけて聴いたときは一人ニヤニヤしましたねぇ。
「いやぁー、いいモン見つけちゃったぁ!」
・・・という裏名盤を発掘した自己満足感です。
当時はLPレコードで、いわゆるジャケ買い、
パブでのジャケットからしてすでにブリティッシュな雰囲気がプンプンと匂ってきますが、
よい曲によい演奏、それだけあれば充分といった素晴らしい出来で、
いまにして思えば、そのサウンドとともに方向性までまんまパブロック。
とはいえ、まだパブロックなんてジャンルは出てきていない1971年、
どうしてレイ・デイヴィスという人は、
こんな時代に先駆けた?アルバムを作ってしまったのでしょうか。
しかも気合バリバリというわけでもなく、なんというのでしょうか、
うまく言えませんが、地元をテーマにしてリラックス・モードなのにカッコイーんです。
収録曲だって、こりゃぁスゲー、タマゲタってわけではないんですが、カッコイーんです。
ユルくて、アコースティック&ブルース・タッチ、
そしてどこかなつかしいロックン・ロールが満載。
これぞキンクスでしか出せない味わい。
1曲目「 20th Century Man 」を聴いてみましょう。
アコギのカッティングでブルージーなイントロ。
そしてデイヴの味あるスライドをからめて、
バスドラがズシズシとしみまくり
アンプラグドに曲はすすみます。
一瞬の静寂をはさんで2分51秒、
エレキのアルペジオに導かれキーボードも加わり、曲は盛り上がりをみせる。
それにあわせてレイのヴォーカルもワイルドに。
そしてグルーヴィーなハモンド・ソロもうなるエンディングへ。
いやぁ、カッチョえーっす!
ほか、全編にわたるレイの感情豊かなヴォーカルは見事だし、
[3][5]なんて、つい鼻歌いっちゃいますね。
絶品バラード[10]なんてのもある。
シメはスタンダードな風格のあるズバリ名曲[12]。
「まぁーーすぅえーぇる」
「ひぃーーるびぃーぃり」
・・・と、いっしょにハモりたくなります。
いやぁ、実に素晴らしい!
ちなみにボーナス・トラックの2曲もレベル高し!
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MUSWELL HILLBILLES / THE KINKS [1] 20th Century Man [2] Acute Schizophrenia Paranoia Blues [3] Holiday [4] Skin And Bone [5] Alcohol [6] Complicated Life [7] Here Come The People In Grey [8] Have A Cuppa Tea [9] Holloway Jail [10] Oklahoma, U.S.A. [11] Uncle Son [12] Muswell Hillbillies PREVIOUSLY UNRELEASED BONUS TRACKS: [13] Mountain Woman [14] Kentucky Moon CREDIT: Produced by Ray Davies Ray Davies: Vocals, Guitar Dave Davies: Vocals, Guitar John Dalton: Bass, Backing Vocals Mick Avory: Drums John Gosling: Keybords |
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