ザ・ローリング・ストーンズ・ガイド
THE ROLLING STONES NO.2 / THE ROLLING STONES
やっぱりカッコイー、ローリング・ストーンズのUK仕様セカンド・アルバム。
渋みを増して粘り気を加えたサウンド、ブライアン&キースの絡みが光る!
オススメ度:★★★★★
オリジナル・リリース:1965年1月
このUK仕様セカンド・アルバム、ジャケットはファースト・アルバムである前作「THE ROLLING STONES」に引き続きアルバム・タイトル、バンド名は何も書いて無い。
デビュー後は人気メキメキでイケルとみたローリング・ストーンズは、不良路線を確固たるものにすべく検討。
サウンドはさらに渋みを増し粘り気を加えながらもポップな味わいを絶妙に残し、「Tell Me」のようなおセンチ曲は不良さに欠けるのでとりあえず無かった事に。[5],[6],[11]のオリジナル曲も出来はイマイチながら、しっかりとこの渋み路線に合わせてる。
そしてブライアン・ジョーンズとキース・リチャードのオラ顔ジャケットからも漂うように、全編にわたって二人のギター絡みが光りまくってます。ある意味「ストーンズ=2台のギター」サウンドがここで確立した感じ。
こうして見事ビートルズとの対極化に成功。。。とはいえ渋い、実に渋くブレの無い1枚なのだ!
こんなアルバムがイギリスではビートルズやボブ・ディランのアルバムとトップ争いをしていたというのだからタマゲる。
[1]からいいよなぁ...この腰にくる感じ。初っ端からまんまとストーンズ・ペースにハマってしまうのである。
ブライアン&キースのギターが絡みまくる[2]のウネリ具合はコクの効いた絶品の味わい。[12]での暴力的なジャンキーさも味わい深い。
ビル&チャーリーもグッジョブ! [7]でのロック感とスイング感を併せ持ったビートは生唾もの。今のストーンズ・コピー・バンドと化したローリング・ストーンズではもはや再現不可能な味わいである。
ミックも頑張ってるんだけど、ここではブライアンに押され気味。プロデューサーであるアンドリュー・ルーグ・オールダムも体裁だけで、ここでの音楽的な主導権はブライアンがガッツリと掴んでいる様子。
[9]なんてスライドでブライアン一人が際立ってますがな。この名演をUS仕様アルバムに収録しなかったのはアンドリューの仕業?
しかもブライアン主導と思われるナンカー・フェルジ(Nanker Phelge)クレジットの曲が無くアンドリューのお財布はちゃんと握ってます的なキナ臭ささも漂う。(個人的贔屓目な観点ながらジャガー/リチャード名義のオリジナル[5],[6],[11]あたりナンカー・フェルジでも良さげなセッションから展開されたような曲調。)
サウンドを確立したという事は、ブライアンのバンド結成時の目標である「最高のR&B/ブルース・バンドを作る」が達成されたという事。
天才ゆえに早くもセカンドにて到達してしまったのはブライアンの悲劇の始まりかもしれない。
自らのポップ性をこのサウンドに融合させていったミック/キースとは対称的に、元々飽きっぽそうなブライアンの興味は段々とストーンズから離れていったのかなぁと真面目に思う。
このアルバムの最大の聴き所は、そんなブライアンの[11]でのサイド・ギター!...と思っているのはおいらだけであろうか。。。
Last updated: Jan 21, 2021
この紙ジャケ仕様を聴きながら書いてます。
⇒ ユニバーサル : UICY-79333 Amazon詳細
⇒ ダウンロード版はコチラ Amazon詳細
[1] Everybody Needs Somebody To Love [2] Down Home Girl [3] You Can't Catch Me [4] Time Is On My Side [5] What A Shame [6] Grown Up Wrong [7] Down The Road Apiece [8] Under The Boadwalk [9] I Can't Be Satisfied [10] Pain In My Heart [11] Off The Hook [12] Suzie Q